ふくしまプライド。

わがまち自慢・
ふくしまプライド。紀行

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ふくしまプライド。紀行

福島県は日本有数のエゴマの生産地で、エゴマは昔から県民の間では「じゅうねん」の名前で親しまれてきました。健康に良いとされるα-リノレン酸を多く含み、食べると「十年(じゅうねん)長生きする」ということからその名が付いたという説があるとてもユニークでありがたい存在です。冷涼で湿潤な気候を好むエゴマは、福島県内のあぶくま地方で盛んに栽培されてきました。
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田村市出身の村上周平さんが、エゴマに健康増進効果の可能性を見出し、1998年に本場韓国から搾油機を輸入し、搾油技術が確立されると、田村市のエゴマ栽培は活気づき、生産者が増加しました。
田村市内に設置されている搾油所では生産者がエゴマの搾油を委託し、自家用として活用しており、いかにエゴマ生産の活発な地域であるかを物語っています。
田村市のエゴマ振興には、令和2年に設立され田村市エゴマ振興協議会が中心的な役割を果たしています。秋になると、エゴマを手作業で刈り取り、丁寧に乾燥、選別したものを協議会が買い取り、搾油してエゴマ油を生産しています。
エゴマには、「白種」と「黒種」がありますが、エゴマ油を搾油するのは、油分が多い「黒種」を利用しています。しかし、実が傷つきやすいため、すべて手刈りにこだわっています

たむらのエゴマ油には、乾燥させたエゴマ油を搾油し、シソに似たさわやかな香りとマイルドな風味が特徴の「生絞り」と、ローストしてから搾油し、深いコクと香ばしくて独特の甘みを持つ「焙煎」の2種類があります。協議会独自の栽培基準と搾油基準に沿い、品質にこだわって生産される、個性と魅力を兼ね備えた逸品です。
田村市エゴマ振興協議会の会長は、設立時から、自身もエゴマの生産者である根本君江さんがつとめています。そんな根本さんにとって、最も大きな出来事だったのが、令和5年1月31日に「たむらのエゴマ油」が地理的表示(GI)保護制度に登録されたことでした。
日本におけるエゴマ油発祥の地
「長年にわたってエゴマの生産、エゴマ油の製造を、市内の生産者が一丸となって行ってきた結果、国から地域特有のブランド産品として認められ、うれしかった」と語る根本さん。毎年11月に収穫した実を冷蔵保管し、注文を受けてから搾油しているため、いつでも鮮度の高いエゴマ油を購入できることが確かな品質の裏付けとなり、県内外で人気を博しています。
根本さんに聞くと、たむらのエゴマ油の「生絞り」は、トマトのカプレーゼやヨーグルトにかけて食べると風味が楽しめるそうです。納豆にかけたり、味噌汁に入れたり、パスタにかけるのもおすすめとのこと。一方、「焙煎」は、トーストに塗って焼き海苔をちぎってのせ醤油をたらすエゴマトーストがおすすめの食べ方だとか。
根本さんは、25年以上、毎日エゴマ油を続けており、元気で笑顔あふれる様子がとても印象的でした。
地理的表示(GI)保護制度

地理的表示(GI)保護制度とは

「地理的表示(GI)保護制度」とは、地域ならではの自然、文化、社会などを背景に育まれてきた品質、社会的評価等を有する産品の名称・ブランドを知的財産として保護する国の制度です。

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