Vol.12
オクヤマフード肉.com
専務取締役オンラインストア担当 奥山萌
ネットに登場した “肉のプロショップ”
飲食店やホテルなど、生粋の料理人にもまれた
若手実力派の“肉職人”が運営
食肉卸の専門業者がオープンさせた一般向けオンラインストア
オクヤマフード肉.comがひっそりとオープンしたのは、2020(令和2)年秋のこと。福島県郡山市で肉の卸売り業を営む株式会社 オクヤマフードの若き三代目である専務取締役の奥山萌(おくやまきざし)さんが、立ち上げ時からずっとサイト運営を担ってきました。
その奥山さん、「うちはずっと食肉卸専門にやってきましたので、このオンラインストアは、一般の方々向けに販売する初の試みでした。まだ、宣伝が足りなくて、あまり知られていないのが難点です」と少しはにかみながら話します。オープンして2年数カ月が経ったサイトを見ても、決して宣伝色が強いものではありません。むしろ、いかにも良質な肉が淡々と並ぶ、うそいつわりのない真摯な販売サイトというムードさえ感じられます。
ただし、「売っている商品はどこにも負けません」と穏やかな口調で話す奥山さん。決して押しつけがましくないその話しぶりからは、かえって真実味や秘めた自信が伝わってきます。
そんな奥山さんが、肉を扱う仕事についたのは大学卒業後。いずれ家業を継ぐことを視野に入れ、食肉の大手商社に就職したときからそのキャリアはスタートしました。
門前払いを受けた修業時代~京都での現場研修を経て確立された自信
食肉商社で奥山さんは、既存取引先に対して営業を行うルート営業を担当し、来る日も来る日も、精肉店やスーパーなどを回りました。ひと言で食肉といっても、牛肉、豚肉、鶏肉などがあり、それぞれに国産もあれば外国産もあり、産地や品種、部位などが異なってバラエティに富んでいます。さらに、お客様によって廉価で量を求めるところもあれば、仕入値が高くてもその分グレードの高いものを求めるところがあるなど、求める肉が異なります。最初はその組み合わせが無限大にも感じられ、お客様のニーズをうまく満たすことができず、「もう来なくていい」とまで言われたこともありました。「まさに、門前払いでした。」と語る奥山さん。それにもめげず、3年間、ひたむきに営業を続け、お客様の信頼を勝ち取るまでになります。「『来なくて』いいと言った人から、『毎日でも来い』と言われた日のことは、今でも忘れられません。」
食肉商社で3年間、「肉とは何か」を骨身にしみるほど学んだ奥山さんは、いよいよ父親が経営する会社に籍を移し、そこから1年間、食肉のプロを養成する群馬の全国食肉学校に入学し、今度は肉の切り方をはじめとする加工技術や原価計算を含む商品化のノウハウなどを徹底的に学びました。校外実習として京都に赴き、老舗食肉卸が営むスーパーで3カ月間、肉の加工、販売に従事したときのことは、かけがえのない経験として記憶に残っているとか。「自分で肉を切ってトレーに盛り付けて店頭に並べ、実際にスタッフとして販売もしました。」という奥山さん。「本当に舌が肥えて肉のあれこれに詳しいお客様が多く、ちょっとした会話が刺激的で、一般の方々を対象とする楽しさとやりがいを知ることができました。」
こうして、業務店への卸営業から食肉加工技術、さらに、一般のお客様向けの商品づくり、販売までを、まさに額に汗して自分のものにしていったのです。
肉の良し悪しは断面を見ればすぐにわかる
オクヤマフードは、飲食店やホテルなどへ向けた卸を専門としています。全国食肉学校を卒業した奥山さんも営業担当の一人として、高級焼肉店や鉄板焼店、老舗ホテルなどをまわり、生粋の料理人を相手に商売を続けてきました。仕入も自分で行うなど、目利きとしても不動の存在感を確立しています。
そんな奥山さんが、オクヤマフード肉.comを始めたのは、コロナによって落ち込んだ自社の売上を少しでも埋めようとする思いもあったからです。オクヤマフードは食肉加工場も備え、数名の職人をかかえています。「うちが扱う『本物の肉』をサイトで売れば、お客様も評価してくれるのではないか。」と奥山さんは考えました。
奥山さんによれば、肉の良し悪しは断面を見ればすぐにわかるといいます。「包丁さばきひとつで切り口が変わります。きれいにスパっと切れた肉は、良い肉です。逆に断面がギザギザだと肉汁が逃げ出し、時間が経つにつれてふにゃっと柔らかくなり、早く劣化していきます。」
もちろん、オクヤマフードの加工職人は、プロの料理人に信頼の厚い、包丁さばきに秀でた人たちばかりです。「皆、経験が長く、誇りを持って活き活きと仕事をしています。」と奥山さんは、嬉しそうに話します。
このように、オクヤマフード肉.comは、肉の何たるかを知り尽くし、日々、料理人に対峙している専門業者が、そのプロ向けと同等のクオリティの商品を販売する、まさに、“肉のプロショップ”です。ちなみに、奥山さんは、食肉の製造技術や品質、衛生管理、部位の名称、特性などが試される食肉博士1級も取得しています。「やはり自分も根っからの“肉職人”の一人なんですね。」
“肉のプロショップ”ならではの人気商品は、福島県産ブランド肉の盛り合わせ
オクヤマフード肉.comの人気商品は、福島牛と麓山高原豚と伊達鶏という、福島県を代表するブランド肉を贅沢に盛り合わせた焼肉セットです。
福島牛は、全国レベルの共励会(肉の品評会)で、直近だけでも最高位の農林水産大臣賞を平成29年から6年連続で受賞するなど、その実力を業界にとどろかせている黒毛和牛です。一方、麓山高原豚は、生産者と卸先を限定してブランドを徹底的に管理し、臭みが少なく柔らかくてジューシーな三元豚です。さらに伊達鶏は、肉質が柔らかいブロイラーと硬めの地鶏の良いとこ取りをしたような、しっかりとした旨味とほどよい弾力が自慢の銘柄鶏です。「このように、ブランド力の強い牛豚鶏をセットにできるのも、食肉に精通したオクヤマフードならではのことです。特に、こうした商品づくりでは、京都研修での一般販売の経験も活かされています。」(奥山さん)
オクヤマフード肉.comのお客様は、東京、神奈川、千葉、埼玉あたりがメインですが、関西方面の方にも購入いただいています。特に、一度購入した人が、二度、三度とお買い求めいただくケースが多く、リピーターに恵まれています。また、大切な人に贈るお中元やお歳暮、父の日、母の日向けのギフト商品も売れ筋ですが、こうした贈り物に選ばれるということも、品質に対する信頼の証といえましょう。
「コロナを機に始めたオンラインストアですが、コアなファンを大切にしつつあせらず着実に事業拡大を図り、ゆくゆくは会社の主要部門のひとつにしていきたいと考えています。卸売業者だからこそ、一般のお客様に提供できるものは何かを常に考えています。」
ここがすごい!!
食肉卸売業者ならではの、こだわりのお肉!
お客様へのメッセージ
「福島牛や麓山高原豚、伊達鶏など、福島県を代表するブランド肉が売れていくのは、一県民としても本当に嬉しく、誇らしいことです。その品質や美味しさは、私たちオクヤマフードの“肉のプロ集団”のお墨付きです。肉好きの人で福島のブランド肉を試したことがない方にも、ぜひ、ご賞味いただきたいと思います。自信を持っておすすめします!」