Vol.5
親バカトマト助川農園Yahoo!店
(左)代表理事 助川成光
(右)店舗運営責任者 助川弥生
夫が生産し妻が売る
息の合った分業体制で
ブランドトマトを全国区に
大成功だったオンラインストアの開店、お客様との新たな出会いが醍醐味
福島県は、農作物の一大産地として知られています。特に、生産量全国一の夏秋きゅうりの産地として名を馳せていますが、県内では、そのきゅうりに次いで生産量が多い野菜がトマトです。しかも、「南郷トマト」、「サンシャイントマト」、「旬太郎トマト」、そして今回取り上げる「親バカトマト」など、県外にも知られたブランドトマトが複数あるのも大きな特徴です。
そのユニークな名前を持つ「親バカトマト」は、通好みの知る人ぞ知るトマトとして異彩を放っています。「なぜ、通好みかというと、『糖度はさほど高くないのに味が濃い』と評判で、一度食べたらかなりの確率でリピーターになっていただけるからです。」と語るのは、「親バカトマト」を生産する助川農園代表理事の助川成光さん。「ネット通販を始めたのは2010(平成22)年のことでした。最初は、ずっと、自社サイトで販売をしていました。」
実は、その自社サイトの運営は、成光さんの奥様の弥生さんが担当してきました。
「震災直後に、『福島県産品が買えるネットショップ』としてSNSで拡散していただき、“応援消費”で一気に売上げが増えました。しかし、何年かするとそれも落ち着き、やはり大手のECサイトで店を構えたいと思うようになりました。」と弥生さん。思い切ってYahoo!ショッピングサイトに出店したのは、2019(令和元)年11月のこと。「大正解でした。やはり大手ショッピングサイトの集客力は強く、全国各地からの新たなお客様がどんどん増えていきました。商品の発送業務などで仕事は忙しくなりましたが、お客様との新たな出会いは、オンラインストアを運営する醍醐味です。うちでは直売所も運営していますが、そこでもお客様とのやりとりは楽しいものです。『おいしいね』と言っていただけると本当にやりがいを感じます。これは、直売所でもオンラインストアでも同じですね。」
オンラインストアでの販売、情報発信が産地振興に寄与
助川農園では、生産は成光さん、販売は弥生さんという形に分業しています。以前、「親バカトマト」は、助川農園を含め6軒の農家で生産していましたが、今は、3軒の農家に減少しています。さらに、助川農園以外の農家では、高齢化も進んでいます。
「後継者を育成し、産地振興を図っていくことが、私たち、若い世代の使命です。」と語気を強める成光さん。実際、2019(令和元)年東日本台風で畑を失った農家の跡取り息子が1名、助川農園で修業しています。「いずれ、『親バカトマト』の生産者に加わってもらいたいと思っています。」と成光さん。
「現在、『親バカトマト』は、生産量が限られており、全国に広く流通させることはできません。遠方から購入しようとする場合、オンラインストアは有効な手段となります。希少価値も高い『親バカトマト』は、その魅力を知っている人が指名買いする商品なのです。」と弥生さん。
一方、成光さんは、「オンラインストアで『親バカトマト』の存在とその魅力が全国に発信されることで、産地を活性化させる可能性がある。」と期待を寄せます。
そのような思いを込めて、オンラインストアでは、メルマガを配信するとともに、「親バカトマト通信」を月1回発行し商品に同封してお届けしています。InstagramやLINE、フェイスブックなどのSNSで販売時期やセールクーポンの情報を発信し、12時までの注文で「あすつく」当日出荷を可能とし、お買い上げ金額がわかりやすいように「送料込みの価格設定」を行うなど、お客様向けのサービスに力を入れています。これらの取組は、弥生さんが中心となって行い、サイト構築は弥生さんの実姉が担当しています。
わずか1年足らずで「トマト」カテゴリで売上1位を獲得
オンラインストアのサイトは、写真がパッと目に入ってくる見やすさと、商品ラインナップを増やして「今度はこれを食べてみよう、次はあれを食べてみよう」と思わせるような構成になっています。情報発信をコツコツと小まめに行うことでお客様との関係を深め、そこにクーポンキャンペーンを投下することで、さらに注目を集めることができて売上げが伸び、Yahoo!ショッピングサイトの「トマト」カテゴリで2020(令和2)年10月に売上1位を獲得するまでになりました。(11月の本格販売前より予約販売を実施)
「数あるストアの中でわずか1年足らずでの1位獲得には、さすがに鳥肌が立ちました。有り難いことです。オンラインストアでは、箱単位でトマトを買っていただけるお客様が多く、そういう方々は、毎日、食卓でうちのトマトを食べているのかな、と思うとワクワクします。」と弥生さん。
「本当に妻のおかげです。しっかりしていて、安心してオンラインストアを任せることができます。」と成光さんは目を細めます。
実は、助川農園では、数年前にミニトマトの作付け面積を増やしましたが、直売所の販売だけでは在庫が生じることがありました。もちろん、おいしさや品質には自信があったので、オンラインストアで試しに販売してみたところ好評を博し、在庫をかかえる悩みも解消されました。
ここがすごい!!
その名の通りの「親バカ」なストア様です
親の愛情をたっぷり受けたみずみずしいトマトたちは、お客様の心をぎゅっとつかんで離しません。
Yahoo!ショッピング「トマト」カテゴリへのランクインは、濃い味のトマトへ注がれる濃い愛情の結果です。
これからもお客様から愛される「親バカトマト」であり続けてください。
おいしさの秘密は土づくりと稀有な品種
親バカトマト助川農園Yahoo!店のイチオシの商品は、大玉の「親バカトマト」です。特に、いわき市産の約4kg LMサイズ20個~24個入りあたりがよく売れています。
そのおいしさの秘密を成光さんに聞いてみたところ、「うちでは土づくりに徹底的にこだわっています。」と教えてくれました。「モミガラを1年間寝かせて発酵させ、完熟した堆肥を施肥して、通気性と水はけがよくて適度に保水性があるフカフカとした土をつくります。また、土壌のpH、窒素、リン酸、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどを測定・分析し、足りないものを加えてバランスを整えていますし、毎年夏に1カ月間、ハウスを密閉して土の消毒まで行っています。さらに、ミネラルが豊富な地下水をくみ上げて栽培に使っています。
ちなみに、「親バカトマト」では、「ごほうび」という品種を採用しています。この品種は、味の良さは折り紙つきであるのに対し、育てにくい品種としても知られ、全国でも栽培しているのは数カ所のみという稀有な品種です。こうしたことを知ると、ますます「親バカトマト」を食べてみたくなりますね。
お客様へのメッセージ
土づくりにこだわり、有機質肥料を使用、なるべく農薬の使用を抑えた「特別栽培農産物」に認証されている「親バカトマト」は、甘みと酸味のバランスが良く、味の濃いトマトです。フルーツトマトのような甘さを追求したトマトではなく、毎日の食卓に出てきて、飽きのこない普段使いのトマトを目指しています。11月から7月まで約9ヶ月販売していますが、特に3月~5月の春先のトマトが糖度が高く、いっそう美味しくなります。
親バカトマト助川農園Yahoo!店ではトマト、ミニトマト、詰め合わせ、トマトジュースなど取り揃えており、収穫したばかりの新鮮なトマトを発送しております。農園直送の新鮮なトマトをどうぞご賞味ください!