写真家・野口勝宏さんと行く
わがまち自慢・
ふくしまプライド。紀行

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「伊達のあんぽ柿」は、伊達市、国見町、桑折町のいわゆる伊達地域を主産地とし、柿の皮をむき硫黄燻蒸(くんじょう)してから、約1カ月じっくりと干して仕上げる、福島県の冬の風物詩といえる特産品です。今や全国に広まったあんぽ柿は、伊達市梁川町の五十沢(いさざわ)地区を発祥の地とし、令和4年に百周年を迎えました。鮮やかなオレンジ色で上品な甘みとトロリとした果肉が特徴的で、来客時のおもてなしや贈答品としても重宝されてきました。「伊達のあんぽ柿」は、地域ブランドを保護する地域団体商標と地理的表示(GI)保護制度に登録され、発祥の地としての誇りを全国に伝えています。
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「その産地の風景から商品として店頭を彩り、食卓に並ぶまで、どのシーンをとっても、これほど絵になる特産品はありません」と語るのは、あんぽ柿発祥の地、五十沢地区の生産者・宍戸洋平さんの元へ訪れた写真家の野口勝宏さんです。「あんぽ柿は上品で美しく、レンズをのぞきピントを合わせると、今度はその甘い味わいまでもが伝わってきます。産地がつむいできた百年の歴史にも、畏敬の念を感じずにはいられません。」
伊達地域は、盆地特有の寒暖差によって、収穫期を前にグッと糖度を高める、良好な柿の産地として知られています。さらに、半田山から吹きおろす半田おろしと呼ばれるからっ風と、朝晩の厳しい冷え込みで生じる阿武隈川の川霧によって、吊るした柿が乾いては湿気を吸い、乾いては湿気を吸うという「もどり」という過程を繰り返すことで、あのジューシーかつトロリとした食感に仕上がります。
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宍戸さんご自身は、あんぽ柿作りに携わって6年目を迎えました。それまでは、首都圏で就職し、実家に戻る予定はなかったといいます。その気持ちに変化が訪れたきっかけは、東日本大震災でした。「あんぽ柿発祥の地、五十沢で生まれ育った自分が復興を担わず、伝統を受け継がずして、いったい誰がその役目を負うのか、という思いがふつふつと湧いてきたのです。」
また、宍戸さんは伝統ある発祥の地を同年代の若手生産者とともに守り、盛り上げていきたいといいます。
「宍戸さんを被写体としてみたとき、内面に秘めた産地を守るという覚悟が、はっきりとその表情から読み取れることがあります。そんなときは、私もシャッターを押す責任の重さを感じずにはいられません」と野口さんは、真剣なまなざしで語ります。
「私たちは、百年間、同じ方法を受け継ぎ、あんぽ柿を生産してきました。それでも、猛暑や豪雨など昨今の気候の急激な変化は、あんぽ柿作りをより難しくしています」と語る宍戸さん。生産シーズンを迎えると、毎日、干場に入り柿の状態をひとつひとつ注意深く観察します。湿度管理は特に重要で、雨戸を一日に何度も開け閉めして調整しています。それは、代々受け継がれた職人技とも呼べるものです。
「発祥の地として歴史があるということは、何ものにも代え難い強みです。それとともに、決して質を落とすことはできないという、重い責任を常に感じています。だからこそ、発色や美味しさなどで満足のいくものができた時の喜びはひとしおです」と、表情をほころばせます。
「あんぽ柿は、食物繊維や抗酸化物質を豊富に含んでいます。GI制度への登録を機に、まだまだ知られていない魅力も積極的に発信していきたいと考えています。」
地理的表示(GI)保護制度

地理的表示(GI)保護制度とは

「地理的表示(GI)保護制度」とは、地域ならではの自然、文化、社会などを背景に育まれてきた品質、社会的評価等を有する産品の名称・ブランドを知的財産として保護する国の制度です。

地域団体商標制度

地域団体商標制度とは

「地域団体商標」とは、地域名と商品(サービス)名からなる「地域の名物」の名称を商標登録できる国の制度です。



野口勝宏(のぐちかつひろ)
Photographer
野口勝宏(のぐちかつひろ)
猪苗代町出身。写真家。「福島の花の美しさで世界の人々を笑顔にしたい」という思いに駆られ、県内各地を隈なく歩き撮影を続ける。福島の雄大な自然や人々の営みにもレンズを向け、福島の情景を焼き付ける、押しも押されぬ第一人者。


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