写真家・野口勝宏さんと行く
わがまち自慢・
ふくしまプライド。紀行

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阿久津曲がりねぎは、明治30(1897)年に栽培が始まり、120有余年の歴史を有する伝統野菜です。郡山市阿久津町周辺で栽培される希少価値の高いねぎで、白い部分が弓のようにしなっているのが大きな特徴です。他産地の長ねぎと比較して、旨み系アミノ酸が約1.8倍、甘み系アミノ酸が約1.9倍、糖度も約1.7倍多く含まれており、甘い、やわらかい、うまい、と三拍子そろった知る人ぞ知る垂涎もののねぎです。
甘く、やわらかく、うまい!その美味しさはお墨付き
写真家の野口勝宏氏が、阿久津曲がりねぎ保存会 会長で、自身もその生産歴が50年を超える、橋本昌幸さんを訪問したのは、ねぎの収穫が本格化し始める11月上旬のこと。「畑に近づくと、ねぎのさわやかな香りが漂ってきて、これは、上質で生命力が強い証(あかし)ではないかと思いました」とその出会いを語ります。「いざ、橋本さんの作業風景にカメラを向けると、その手作業がとても丁寧で、しかも、収穫したねぎを持ったときの目がとても穏やかで優しい。これは、いい写真が撮れるぞ、と心躍ったものでした」と、写真家ならではの視線で作り手としての橋本さんの魅力を語ってくれました。

橋本さん曰く、もともと「曲がりねぎ」という品種があるわけではないといいます。阿久津地区の畑の土は、粘土質が強く、少ない土の量でねぎの白い部分を確保する必要がありました。このため、8月下旬から9月中旬までに、何と育ってきたねぎを1回土から引き抜いて、約45度の角度をつけて斜めに寝かせ、その上から土を盛って植え替える「やとい」という作業を行います。そこからねぎは、太陽に向かって真っすぐ伸びていくため葉の白い部分が曲がっていきます。これが曲がりねぎができる仕組みです。
「阿久津曲がりねぎの旨味成分や糖度が増すのは、やといを行うことによってねぎにストレスがかかり、もう一度しっかり根を張ろうとして生育力が強くなった結果ではないか」と橋本さんは語ります。「夏の暑い盛りに行うやといは大変ですが、大汗をかきながら、しっかり曲がれ、すくすく育て、と祈りながら毎年作業を行っています」。阿久津曲がりねぎは、伝統の技「やとい」によって作られる逸品だったのです。
丁寧な手作業に作り手の優しさと心意気が感じられ、心温まる逸品
阿久津曲がりねぎの収穫・出荷は、11月上旬から2月下旬にかけて行われます。収穫したねぎは、澄んだ湧水で洗ってから出荷します。この作業は、冬場の凍りつくような寒さの中でも丹念に行われ、土を落としたねぎは、曲がっている部分が真っ白に光り、とても印象的です。
この阿久津曲がりねぎの伝統を守り後世に伝えるため、平成17年に阿久津曲がりねぎ保存会が設立され、以来、橋本さんが会長を務めています。「保存会を作ったおかげで、さまざまなイベントに呼ばれ、新聞やテレビで取り上げられる機会も増えて知名度が上がりました」と語る橋本さん。毎年11月に行われる「全国ねぎサミット」に、阿久津曲がりねぎ保存会として、参加。個性豊かな阿久津曲がりねぎは、そのねぎサミットでも甘くて柔らかいと大好評を博しています。令和4年には、地理的表示(GI)保護制度に登録され、名実ともに国が認める全国的なブランドになりました。
「いいものを作ろう、その伝統を守っていこうという心意気が、ファインダー越しにも伝わって来ました。そのような被写体にめぐり合うのは、写真家として非常に嬉しい瞬間でもあるのです」と語る野口さんの口調にも優しさと満足感が漂います。
橋本さんに、阿久津曲がりねぎの産地ならではの美味しい食べ方を聞いたところ、真っ先に上がった回答が「素焼きにして塩胡椒をふって食べること」でした。これも、甘みと旨みが際立つ阿久津曲がりねぎならではのこと。「イベントでお客様に試食してもらい、「うまい!」と言ってもらうことが、いちばん大きな励みになります」と語る橋本さんから満面の笑みがこぼれました。
地理的表示(GI)保護制度

地理的表示(GI)保護制度とは

「地理的表示(GI)保護制度」とは、地域ならではの自然、文化、社会などを背景に育まれてきた品質、社会的評価等を有する産品の名称・ブランドを知的財産として保護する国の制度です。阿久津曲がりねぎは、令和4年に登録。



野口勝宏(のぐちかつひろ)
Photographer
野口勝宏(のぐちかつひろ)
猪苗代町出身。写真家。「福島の花の美しさで世界の人々を笑顔にしたい」という思いに駆られ、県内各地を隈なく歩き撮影を続ける。福島の雄大な自然や人々の営みにもレンズを向け、福島の情景を焼き付ける、押しも押されぬ第一人者。


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